「この世界の片隅に」「火垂るの墓」

引越の時に多くの本を処分したが、「火垂るの墓」は処分できなかった。というよりしなかった。かと言って再度読みたい本ではない。というより読めない。あまりにも胸に刺さるから。
これらの本は反戦というテーマを持っているのかもしれないが、私は別のことを考えてみた。
この物語は兄が駅構内での死から始まる。持ち物と言えば、ドロップのカンだけ。何とも哀れな場面から始まる。
「火垂るの墓」の妹節子の人生はどうだったのか。幼くして命を奪われたことはあまりにも切ない。不幸な人生と思うのは耐えられない。次のように思いたい。兄はどんな時も寄り添っ
て生きてくれた。兄を信じ、兄と共に生きた人生であった、と。

引っ越してから読んだのが「この世界の片隅に」。だから今も本棚にある。でもこの本ももう一度読めない。
主人公のすずはどんな人生であったのか。戦禍で右手を失い、右手が今までしてきたことを思い、心が歪む。生きてきた意味は何だったのか。それは著者のあとがきにある”「生」の悲しみやきらめきを知ろう”とした中にあるのだろう。
ある時おにぎりを落とし、拾った戦争孤児が食べようとしたが、すずに返す。「いいから食べんしゃい」とすず。右手を失った腕にすがりつくその子。家に連れて帰る。シラミだらけでも家族は受け入れる。命を愛おしむ心が当たり前のように小さく重なり合う、そんな片隅の出来事に人生の意味があると思いたい。

何かを成し遂げて名を残したわけでもなく、身近な人を大切にし、ただ健気に生きただけの人生、そのような人生をどう思いますか。

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